ラテン教父修辞学者三一論
- 生没
- 290年頃 – 363年以後
- 地
- 北アフリカ出身、ローマで活動
- 公開
- 10 作品 · 3453 節
経歴
北アフリカに生まれ、ローマで修辞学の教師として名を上げた。ヒエロニュムスによれば、その功績によってトラヤヌスの広場に像が立てられたという。プラトン派の哲学に通じ、プロティノスやポルピュリオスの著作をラテン語に訳した。アウグスティヌスが『告白』で「プラトン派の書物」と呼んで読んだのは、このウィクトリヌスの訳であったと考えられている。
老年になってキリスト教に改宗した。アウグスティヌス『告白』第8巻は、ウィクトリヌスが人目を避けずローマの教会の前で信仰を告白した次第を伝えている(アウグスティヌス自身の回心に先立って語られる逸話である)。362年、背教者ユリアヌスがキリスト者の修辞学教師を禁じると、教職を退いた。没年は分からない。
主張
改宗後の著作の中心は、アリウス派に対する三位一体の弁護である。父と子が同一の実体(ホモウシオス)であることを、新プラトン主義の「在ること・生きること・知解すること」の三つ組を用いて論じた。ラテン語で書かれた最初期の本格的な三一論であり、その語彙と論法は難解で知られるが、アウグスティヌス以前の西方神学を知るうえで欠かせない。
またラテン語で最初期のパウロ書簡注解(ガラテヤ書・フィリピ書・エフェソ書)を書いた。
代表作
『アリウス駁論』全4巻——主著。アリウス派カンディドゥスへの応答として書かれ、同一実体を論証する。
『神の言の生まれについて』——カンディドゥスの論考『神の生まれについて』への返答。
『ホモウシオスを受け入れるべきこと』——短い論考。
『ガラテヤ書注解』『フィリピ書注解』『エフェソ書注解』。
ほかに三位一体への賛歌3篇が伝わる。
本サイトで公開している著作
Adversus Arium Libri Quatuor『アリウス駁論(全四巻)』PL 8, 1039A–1138B · 127 capita · 1192 §Ad Justinum Manichaeum contra duo principia Manichaeorum『マニ教の二原理説への反駁(マニ教徒ユスティヌスへ)』PL 8, 999C–1010A · 16 capita · 126 §Ad Candidum Arianum de Generatione Divini Verbi『神の言葉の生まれについて(アリウス派カンディドゥスへ)』PL 8, 1019C–1036C · 32 capita · 159 §De Homoousio Recipiendo『ホモウシオスを受け入れるべきこと』PL 8, 1137C–1140D · 4 capita · 35 §Liber de physicis『自然学について』PL 8, 1295D–1310C · 27 capita · 164 §De verbis Scripturae: Factum est vespere et mane dies unus『聖書の言葉「夕べがあり、朝があった。第一の日である」について』PL 8, 1009B–1014B · 7 capita · 67 §Hymni de Trinitate『三一論賛歌(三篇)』PL 8, 1140D–1146D · 3 capita · 26 §In Epistolam Pauli ad Ephesios Libri Duo『エフェソ書註解(全二巻)』PL 8, 1235A–1294D · 9 capita · 710 §In Epistolam Pauli ad Galatas Libri Duo『ガラテヤ書註解(全二巻)』PL 8, 1145D–1198B · 8 capita · 554 §In Epistolam Pauli ad Philippenses Liber Unicus『フィリピ書註解』PL 8, 1197C–1236A · 4 capita · 420 §